「ううん。真宙くんは、悪くないよ。
それより……あたし、重たくない?」
「全然。むしろ、めっちゃ軽いね。ちゃんとご飯食べてる? って、心配になっちゃうくらい」
「たっ、食べてるよ!」
「そっか。良かった。
つーか今……七星ちゃんと俺の顔、めっちゃ近い。自分で七星ちゃんを抱き上げておきながら、俺の心臓やばい」
真宙くんの顔を見ると、真っ赤になっている。
「真宙くん、顔真っ赤だよ?」
「うん。顔、熱いの自分でも分かる。
だから七星ちゃん、いま俺の顔見ないで」
真宙くんが、ぷいっとそっぽを向く。
「えー? そう言われると、余計に見たくなる」
どんな顔の真宙くんも見たいって、思っちゃう。



