「「キャーッ!」」
何人もの女の子の、黄色い声が上がる。
こっ、これってもしかして……
お姫様抱っこ!?
軽々と持ち上げられ、逞しい腕にあたしは運ばれていく。
どうしよう。めちゃくちゃ目立つんだけど……。
グラウンドにいる女の子たちが、みんなこっちを見ている。
「ヒューッ! 澄野、お前やるなー!」
サッカー部の人まで……!
「まっ、真宙くん! あたし、自分で歩けるよ?」
「足痛むでしょ? 無理しなくて良いよ。
それに、俺が七星ちゃんをこうしたいの」
真宙くん……。
「転んだの、俺のところに走って来た女子のせい……だよね? キミに、痛い思いをさせちゃってごめん……七星ちゃん」
真宙くんのおでこが、あたしの額にコツンと当てられた。



