「ねぇ! スミくんまだ〜?」


「わっ! 中条っ、先に行ってたんじゃなかったのかよ……って! ちょっ……引っ張るなって」


真宙くんが、ケーキを持っていないほうの腕を中条さんに掴まれ、ぐいぐい引っぱられるようにして店を出ていく。


「それじゃあね〜、七星ちゃん。
また明日、学校で。バイト頑張って」


「もう! スミくん、よそ見しないで!」


「中条! 俺、先に行きかけてって言っただろ〜?」


「だから、わたしはスミくんと一緒に行きたいの! そもそも、ケーキ持ってるスミくんが来ないと意味ないんだからね」


真宙くんの腕を引いて歩く中条さんが、不機嫌そうにこちらを振り向く。


うっ……。なんか、ものすごく鋭い目であたしを見てくるんだけど。