たちまち由里香さんに睨まれる。


まるでヘビに捕らえられたウサギのよう。


鋭い視線に耐えられず、言葉を発する。


「い、行きなよ!ほらこんな機会ほとんどないんだから」


1番いいたくなかった言葉。


「ね?」と聖那の顔を見れば、少し不機嫌そうな顔をしながらわたしの腕を離した。


「……わかった。悪いけど川村さん、ヒナのこと送ってあげて」


それだけ言ってスタスタと私から遠ざかっていく。


「待って〜!」とその後ろを由里香さんが追う。