言われるまま、僕は都会猫の車に乗っている。そして沈黙。
何も話しくれない。
彼は、ただ怖い顔をしている。
そんな顔、見たことがないくらいに。
勇気を出して聞いてみた。
「…いったい何が起こっているのか、わからないですけど。」
「あぁ。危険な目にあうところだった、とだけ言っておくよ。」
「危険？」
「そうだ。俺は君を守ってやるって、約束したからな。」
「そう…なんだ。よくわからないけど、助けてくれたんだね、ありがとう。」
彼は険しい顔で言った。
「とりあえず、店には、もう戻ることが許されない。俺の部屋にも戻れない。
ひとまず信頼のおける知り合いの所に行くから。
…そんなことになって、ごめんな。」
「僕はあなたを信じてるから。」
「そんなに簡単に、信じるな。」
彼はそういうとスピードをあげて
車を走らせた。
