田舎猫と都会猫、のはなし。



この世のみんな
ワタシのいいなり。

いままでも、
そうしてきたのだもの。

このワタシの築き上げた帝国を崩さないためには、あのコは必要なの。わかるでしょ?」

「ウィ、マダム。仰せの通りに。」

バーテンダーは言った。

「それらは、
もう施術を受けているので、
子を成すことはできません。
だから、もし跡継ぎが欲しいのなら、若くて「処理されてないもの」を選ぶしかないのです。」

都会猫は唇を噛んだ。

「…それしかないのか。」

マダムは、グラスを傾けて言った。

「そうよ、あのコは適任なの。
とびきりの上物。原石は磨かれなければただの石ころよ。
ワタシたちが産み出した世界は、ワタシたちが守るのよ。」

この店は、
権力や金のあるもの達を虜にする。
それらは
病みつきになり、抜け出せなくなる。
すべて。
そして我らに捧ぐ。
すべて。