田舎猫と都会猫、のはなし。


汗びっしょりなので、
僕も浴びたくなって、
お風呂場に向かう。

彼はバスローブを着て
頭をバスタオルで覆いながら
乱雑に拭いていた。

「起きたのか?」

彼は、僕に気づいた。

「う、うん。いま何時?」
「まだ夜が明ける前だ。ゆっくりしてていいよ。」
「うん…誰か、いなかった?」
「誰か?いないけど。何かあったのか?」
「ううん、なんでもない、たぶん夢を見たんだ。」

気持ちいいけど、気持ち悪い夢…。
彼以外に抱かれることを、夢にみるなんて、僕はどうかしてる。

「心配なら、そばにいようか?」
「うん、でもシャワー浴びてからね。汗びっしょり。」
「悪い夢でもみたんだな。なんか落ち着くような飲み物でも、用意しておくよ。出たら飲みな。」
「サンキュー」

悪い予感でなければ
よかったのに。