「先日は、お休みをいただき、ありがとうございました。」
「少しは休めたかしら?」
マダムが言った。
「そろそろ誕生日って、言ってたわよね?お店でね、ナオちゃんが、
大人になる儀式を、しようと思って。」
「儀式?」
「そう、みんなにお披露目するの。
ナオちゃんが大人になるのを。
みんなでお祝いするのよ。
うふふ、楽しみね。準備をよろしく。」
赤と金の王座に足組みで座るマダムに、
黒服のバーテンダーは、かしずいた。
「かしこまりました、マダム、
仰せのままに。」
それから数日たって、
変な夢をみた気がする。
熱くて柔らかい包まれた感覚。
誰…
誰なの…
僕を誘惑するのは…
僕を抱き締めるのは…
あぁ…
気持ちいい…けど…
おかしくなっちゃう…
からだが動かない…
目を開けなきゃ…
必死の思いで目を開けると
僕は一人でベッドに横たわっていた。
汗びっしょり…
そう彼は?彼はどこ?
奥でシャワーの音が聞こえる。



