田舎猫と都会猫、のはなし。


「日が暮れてきたな。」

「じゃあ最後に、写真撮ろうよ」
「ここで?」
「そう、記念に。」

二人で肩を寄せ合い、
観覧車を背景に、
カメラで撮る。

「綺麗に撮れた!」
「よかったな。」
「うん。きょうは楽しかった。
ありがとう。
こんなに楽しかったのは、
初めてだから。」
彼は僕を抱き締めた。
「じゃあ帰ろうか。」
「…うん。」
僕も抱き締め返したあと、
軽くキスをして、
恥ずかしさから
少し離れて歩いた。

少し寂しくなったのは、
すごく楽しかったからか。
夕焼けのせいなのか。