田舎猫と都会猫、のはなし。


「きょうは暑そう。」

僕たちは遊園地に来た。

目の前には
大きなドーム球場や施設が並び、
ジェットコースターの振動と悲鳴が聞こえる。

「始めて来た。嬉しいな♪」
「嬉しい?」
「うん!」
「ふふっ、可愛いなw」

ニコニコしてる僕の、頭を撫でた。

「なに乗ろう!やっぱりジェットコースターかな?」
「えー、俺は見てようかな…。」
「乗るの!」
「…しょうがないな。
じゃあ俺の言うことを
ひとつ聞いてくれたらな!」
「いいよ!」

(そんな大したことも言われないだろう)と、僕は、たかをくくっていた。

「…あードキドキした。じゃあ次は…。」

片端から乗り物に行く。彼の腕を引いて。

「あー、楽しかった。あなたは?」
「まぁまぁな。お化け屋敷であんなに怖がると思わなくて、面白かった。」
「…だって恐いんだもん。」

ずっと彼の腕を掴んでいた。
それだけじゃないけどね…。
離れたくないんだ。
彼はふと握る手を、恋人繋ぎに変えた。
指の間に絡ませて、ギュッと深く繋ぐアレ。

僕は少し恥ずかしがりながら
握り返した。

「このままずっと、このままだったらいいのに。」

少し涼しくなった
僕らはベンチで寄り添って座っていた。