「デート?いいよ、どこに行きたい?」
「遊園地!」
「こどもだな。」
「こどもだもん。」
彼は笑って、抱き締めてくれた。
仕事が終わって、いつものように
車に乗って帰ろうとすると
バーテンダーが
「もうワタシが、送らなくていいの?」と
うんと僕はうなづいた。
「仲直りしたみたいで、よかったわね。また必要になったら言って。」
彼は基本的に親切だし、良い猫だ。
と思う。
例のことは、秘密にしておこう。
デートの期待を胸に、
僕は、また頑張れそう。
迷惑かけないように、しよう。
車はイルミネーションの中を
通りすぎていった。



