なんとなく気になっていたので、
思いきって、聞いてみた。
「どうしていつも、僕にミルクを出してくれるの?」
「都会の水は、よくないから、
よそからきたモノが
普通に過ごしていると、
たいてい病気になるのよ。
だから、ワタシの特製ミルクを
お飲みなさい。
それに、このお部屋は、外よりも空気も綺麗でしょ。それは、そうしているからよ。」
僕が体験している都会というものは、
普通よりも洗練されていたもの
だったんだ。
「うん、なんとなくわかる。
外は車もたくさんあるし、
風が強くて埃っぽいし、
だいいち隠れる洞穴がないし。」
「ププー。
ホラアナ、洞穴だって…!
アァ可笑しい。あなたって面白いのね。」
「笑わないで、恥ずかしいから。」
「あら傷ついた?ゴメンナサイネ。」



