田舎猫と都会猫、のはなし。


僕は荷物をたくさん両手に抱え、
ゆっくりと階段をのぼり、
バーテンダーのいる
カウンターに戻る。と、
後ろのカーテンに映る
シルエット越しに
誰かと話しているのが見えた。

「あぁ…。もっと。お願いです…。」

「ダメよ。まだ…をしてないでしょう。悪いコね。悪いコにはお仕置きをしないとね。」

「あ、あぁ…。仰せのままに…。」

僕は身を隠した。
あれは…。

カシャーン

僕は抱えていた荷物の
調味料ケースを落としてしまったらしい。

シルエットは消え、
その場から
誰もいなくなった。