田舎猫と都会猫、のはなし。



「僕…貴方に伝えたいことが。」

「…俺もだ。」

少しの沈黙が続く。
どちらから切り出すか
様子をうかがっているように。

「迷惑をかけてごめんなさい。
いろいろしてくれたのに。

…僕はもう二度とあんなことしない。

貴方を欲しがらないから。

だから、そばに、いさせてください。

こんな僕だけど、あなたの役に立ちたい。どうか、お願いします。」

僕は深く頭を下げた。

「…いや、そんなにしなくていいよ。
もともと俺が悪かったんだし。
俺は、君が嫌いな訳じゃないしさ。
俺が弱かったんだ。
面倒みるって約束したのにな。」

彼は、僕の頭を撫でた。
でも、それだけで済まなかった。
彼が僕を引き寄せ抱き締めたんだ。

「…前のように一緒に過ごしてくれるか?」

「…うん。」

「…欲しがっても、いいんだよ。」

彼は僕の唇に触れた。