「そして、マダムに贔屓されてるアナタも、またトクベツなの。わかった?」
「…僕は、そんな特別じゃないですよ。ただの田舎猫だし。センスないし。」
「そんなのは、これから磨いていくのよ。ね。
それに、そんな風に言うのは、選んでくれたマダムに失礼だわ。もっと自分に自信を持たなきゃ。」
「…はい。」
車がお店につくと
もう準備は出来ていて
開店を待っているようだった。
たぶん都会猫や周りのスタッフさんが準備を終えていてくれたらしい。
迷惑かけちゃったな。
「僕は役に立ててないし。」
「じゃあ、こちらを手伝って。」
見かねたバーテンダーは、
バーテンダーの仕事に必要な材料と
言われた通りのワインなどを
さらに部屋の地下にあるワインセラーから取りに行くことを命じられた。
「これが物があるところを書いた地図と、必要な物のメモ。よろしくね。」
僕はメモを片手に、階下におりた。
「あ…」
都会猫がそこにいた。



