「…テオ。こんなことは止めるんだ。こんなことが幸せな訳がないだろう」
ヘンリーはそう言ってテオを睨んでいる。
「ヘンリー。君は僕の右腕だ。僕の言うことには全てYESと言って何でもやってくれた君が僕に反抗するなんて悲しいよ」
「…これだけは譲れない。テオ、お前は間違っている」
「へぇ、この僕に逆らうの?」
「ああ、そうなるな」
テオは反抗する姿勢を見せるヘンリーに残念そうに笑った。
その笑顔に思わず私の方が寒気を感じる。
私に向けられたものではなかったがその笑顔一つがとても怖いと感じてしまった。
テオには逆らってはいけない、そう感じさせる笑顔だ。
それでもヘンリーは平然とテオを睨み続けていた。
「いいよ!それなら殺してあげるよ!僕と咲良の邪魔をするやつは全員だ!」
テオは楽しそうに笑ってそう言うと右手を大きくあげた。



