「話はまあ、わかったけど、つまりテオが魔王でこのよくわからないことの元凶…」
そこまで言うといきなり街並みから色が消えた。
え!?いきなり本当に何!?
慌てて辺りを見渡す。
街を歩く人も、街を構成する建物たちも、空を飛ぶ鳥も、空さえも、何もかもに色がなく、モノクロだ。
そしてその全てが時間に取り残されたように止まっていた。
何が起こっているのか。
「あーあ。せっかく幸せだったのに。どうしてくれるの」
向こうの方からテオの声がする。
テオは冷たく笑っておかしそうにこちらを見ていた。
目だけが笑っていない。
「咲良」
そんなテオを見てギャレットは自分の背に私を隠した。



