「そう、だよな。やっぱりヘンリーが言った通りか」
私の問いかけに美しい男が悲しそうに笑う。
何故、彼はこんな傷ついたような顔をするのか。
わからないはずなのにどこかでわかってしまう私もいる。
彼は私に忘れられて〝悲しんでいる〟。
「…俺は咲良の契約悪魔だ。俺はお前のこと結構気に入ってんだ。お前の願いが人間界へ帰りたいってことなら叶えてやるよ。でも、こんなところに閉じ込められているなんてそれは違うだろ?」
彼は何を言っているか。
私が閉じ込められている?
「…ちょっと待ってろ。ちゃんと咲良の願いは俺たちが叶えてやるから」
美しい男はそれだけ言うとスマホを触り始めた。
多分誰かに連絡をしているのだろう。
「…」
ああ、そうだ。
彼が誰なのかはわからない。
それでも名前はどうしてだかわかる。
なんで忘れていたのだろうか。



