「はいはい」
テオの方へ行けば頬に軽くキスが落とされる。
いつもと同じ夜。
「?」
あれ?
テオにキスをされた頬を触って私は首を傾げた。
本当にいつも〝こう〟だっただろうか。
こんなにも甘くて満たされる時間があっただろうか?
「…咲良?何、固まっているの?もう一度キスしようか?今度は口にでも」
この状況に違和感を感じていると先に歩き始めていたテオがこちらに振り向いて意地悪く笑った。
「い!いい!大丈夫だから!」
そんなテオに慌てて返事をして5年も見てきた玄関で靴を脱ぐ。
…気のせいかな?
私は違和感に蓋をしていつものようにテオの後を追って部屋の中へと入った。



