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ヘンリーと契約をして数日。
人間界へ帰れる条件をもう満たしている私だがそのことを魔王であるテオに私はまだ伝えていなかった。

理由はただ一つ。
いつでも帰れる状況になった途端、ならば今すぐではなくてもいいかと思えてしまったからだ。

ここでの生活を、彼ら5兄弟たちとの日々を、私はいつの間にか気に入っており、もう少しだけ彼らと居たいと思えてしまっていた。


「さーくら」


そんな日々が続いたある日のこと。
いつものようにナイトメアでバイトをしているとミアに声をかけられた。

テオは私に正体を明かした後も基本はミアとして私の前に現れることが多かった。
魔王の姿だと目立つし、ミアの姿の方がいろいろと都合がいいのだろう。

ちなみにテオが未だにナイトメアでミアとしてバイトをしている理由は単純に私に会いたいかららしい。

前に一度だけ気になって聞いてみた時に、そう恥ずかしげもなく言われ、心臓が無事に死んだ。

あんな美少女or美少年にまっすぐ「会いたいから」とか言われたら誰でも死ぬでしょう。
心臓に悪い。ある意味テロリスト。