「お前は赤の他人だ。何故俺たちに構う。何が目的だ」
やっと警戒が解けたと思っていたがどうやらそうではなかったらしい。
疑い深いヘンリーの声が私の耳に届く。
「何が目的って…」
最初こそ彼ら5兄弟が苦手で嫌いで仕方なかったが、今ではそうではない。
普通に好きだ。
だからこそ、このような状況で力になりたいと思うことはごく自然なことで。
だが、そんなことを言ってもきっと今のヘンリーにはわからない。
今のヘンリーには私と過ごした1年の記憶がない。突然現れた人間に好きだからとか言われても気持ち悪い上に信じがたい話になるはずだ。
「…自分の願いを叶える為に、かな」
なので私は〝好き〟だという感情以外で彼らと関わる理由を口にした。
そもそもは人間界へ帰る為に彼ら5兄弟たちと過ごしてきた。
間違いではないはずだ。



