「このリングがある内はエドガーには魔力がない状態だ」
「なるほど」
何とも拍子抜けなギフトなのだろう。
そう思ったが態度に出すのは失礼だと思ったので私はただ興味深そうに頷いた。
もっと1日中自由を奪われるとか、強制的に従わされるとか、炎で死ぬ寸前まで焼かれるとか、物騒で恐ろしいものだと思っていた。
魔力がなくなっても別に不便はないと思うのだが。
「その顔は魔力が0になることが悪魔にとってどういうことかわかっていないな?」
「…まぁ」
幼いヘンリーでも私が何を考えているのか取り繕っていてもわかるらしい。
意地の悪そうな笑みを浮かべているヘンリーに私は歯切れ悪く返事をした。
幼くてもヘンリーはヘンリーだ。



