そして枕は見事に私の顔面にクリーンヒットした。
何故。
「…やってくれたね?エドガー…」
「いや!え!?投げたのは俺だけど最終的に悪いのはバッカスじゃね!?」
ゆらりと自分の枕を掲げて私は焦っているエドガーに向かって枕を投げようと構える。
「…はぁ、全くお前たちは。誰がどこで寝てもいいだろう。特にエドガーは枕を人に投げつけるな」
「〜っ!でもよ!抜け駆けしたバッカスが悪いし、そもそも咲良の隣で寝るのは俺なのに!」
「俺に口答えするのか?よっぽど俺のギフトを食らいたいらしいな?」
「滅相もございません!」
呆れたように弟たち、特に枕を投げたエドガーに注意をするヘンリーに最初こそは威勢よく噛み付いていたエドガーだったがその威勢はすぐになくなった。
幼さもあり、その姿は怒られた子犬のようにしおらしく、可愛らしい。



