「…お前は先程から俺のやろうとすること全てを否定するな?」
「ごめん!でもヘンリーがやる必要がないことまでやろうとするから…」
こちらをギロリと睨むヘンリーは幼くても迫力がある。
大人のヘンリーは屋敷のことは全てたくさんいる使用人たちに任せていたはずだ。
何故幼いヘンリーはそれをしないのか。
「俺がやる必要がないだと?じゃあ誰がやるんだ?朝食を作るのは?この屋敷を管理するのは?その為に必要な資金は?全てを俺以外の誰ができると言う?」
幼い子どもが言う言葉じゃない。
妙に落ち着いているがまだ幼いヘンリーにはあまりにも似合わない言葉だ。
どこの世界線の子どもがこんな言葉を言うのか。
何故ヘンリーはこんなことを言わなければならないのか。
「…ヘンリー、アナタはまだ子どもでしょう?今ヘンリーが言ったことは全部大人がやることだよ?ヘンリーがやることじゃない」
「そんな大人は俺にはいない」
「…」
顔色ひとつ変えずに当然のようにそう言ったヘンリーに私は思わず何も言えなくなる。



