今スマホの向こう側で私に話しかけ続けているのがあの冷酷冷徹な魔王だなんて誰が思うだろうか。
この会話を聞いている部下たちはきっと自分の耳を疑うはずだ。
ミア=魔王だと打ち明けられたあの日からテオはこんな感じだった。
冷たさなんて感じさせない。ずっと優しくて甘い。女の子の友だちミアとしてじゃなく、私を想う1人の男の子テオとして接してくる。
「はいはい。わかったよ」
私はとりあえずテオの言葉に頷くことにした。
こうなればテオは絶対に折れないし、そもそも今は時間が惜しい。
いつヘンリーが目覚めるかわからない今、悠長なことはしていられない。
『…よかった。じゃあまたね』
「うん。また」
テオの満足げな声を聞き、私は電話を切った。
これで私に任されたことはすべてやり遂げた。



