スマホ越しのテオの様子からして何故かテオは電話の相手が私だとわかっているようだった。
謎しかない。
ほんの少ししか言葉を発していない電話の向こう側の人物を迷いなく私だと言い切れる根拠はどこなの?
『…声聞けて嬉しい。ヘンリーのことはわかったからゆっくり休むように伝えて』
「うん。ありがとう、テオ」
先程の攻防の時とは全く違う甘えるような優しいテオの声。
謎しかない展開だがこちらも急いでいるのであまり深くは聞かないことにした。
『全然。あぁ、もっと咲良の声が聞きたいな。今度うちに用事がある時はこんなところじゃなくて直接僕に連絡を入れて。他のやつにこんなに可愛い咲良の声聞かせたくない』
「…いや、ヘンリーの仕事のことだから職場に直接連絡するのが筋かなって」
『僕はヘンリーの直属の王だけど?何か問題でもある?』
「プライベートと仕事はきちんと分けるべき」
『その必要はないよ。だって僕は咲良の悪魔だよ?』



