「ちょっとちょっと、2人ともー。desireって何?僕たちは何もわかっていないんだけど?」
何かをわかっているらしいヘンリーとギャレットに頬を膨らせてクラウスが文句を言う。
それに対してエドガーも「そうだそうだ」と言い、バッカスも文句までは言わないが無言でうんうんと頷いていた。
私もバッカスと同じように首を縦に振る。
「…まず状況から説明しよう。ギャレット、いけるか」
「おけー」
私たちの視線を受けてヘンリーは同じく状況がわかっていそうなギャレットに話を振った。
「ここはおそらく咲良がさっき持っていた本、desireの中だよ。この本は呪われた本として結構有名でタイトルの通りdesire…欲望に関する呪いがかけられているんだ」
「…呪い。呪いの内容はなんだ?」
説明を始めたギャレットに質問をしたのは意外なことにバッカスだ。
表情からして空腹が我慢の限界に達したので、早く解決させてご飯を食べたいのだろう。
私のところにも「お腹が空いた」て理由で来ていたもんね。