光が消えるとそこは無限に広がる何もない白い空間だった。
「咲良、大丈夫か?」
「うん」
私を未だに抱きしめたままのエドガーが心配そうに私に声をかける。
先程まで居たのは書庫だった。
だが、ここは明らかに違うどこかだ。
つまりここはどこ?
「…あの本の見た目には見覚えがある」
「俺もだよ、ヘンリー」
状況がよくわからずにエドガーの腕の中で固まっていると難しい顔をしたヘンリーとギャレットの話し声が聞こえてきた。
よく見れば私たちの周りにはヘンリー、ギャレットだけではなく、あの場にいたクラウス、バッカスの姿もある。