そんな時だった。 「待て!咲良が持っているその本は…」 ヘンリーが急に大きな声を出す。 それに驚いてエドガーの手が止まったのと、私の手から禍々しい本が滑り落ちたのは同時だった。 「あぁ!?」 落ちていく本をギャレットがとんでもなく驚いた表情で見つめている。 あの本が一体なんだというのだろうか。 そう疑問に思っていると本に巻きついていたはずの鎖がするりと解け、床に落ちると本はぱかりと開いた。 本からパァァァァ!と前が見えなくなるほどの光が放たれ、この辺り全てを支配する。