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魔界に来てしまって半年が過ぎた。
5兄弟たちとの関係はまあまあ良好。

半年間で結べた契約は3つ。
人間界へ帰るために必要な契約はあと2つ。

ヘンリーとクラウス、この2人と契約を結ばなければいけないのだが、未だにその機会は私に訪れていなかった。


そんなある日のこと。


「じゃあよろしくね、咲良。半分は期待しているから」


私は私の目の前で、相変わらず人をバカにしたように笑うギャレットに呼ばれ、書庫へ来ていた。


「はいはい」


相変わらずなギャレットに呆れたように返事をし、ギャレットと書庫内で別れる。


ここへ私がギャレットに呼び出された理由。
それはギャレットによるある願いの為だった。

先程私の小屋に現れ、

「新作のゲームをするのに俺は忙しい。学院の宿題なんかに時間を取られる訳にはいない。だから学院の宿題を効率よく速攻で終わらせる為の資料を集めるから手伝って」

と、ギャレットに捲し立てるように言われたことは記憶に新しい。

本当にピカピカの記憶だ。
先程話されたばかりのものだ。