「まあ、いいや。ミアちゃんのサイン付きチェキ欲しいしさっさと契約するよ」
ギャレットはそう言うと私との距離を詰めた。
早速始まるのだろう。
あの契約の儀式みたいなことが。
「我が名は特級悪魔ギャレット・ハワード。今人間桐堂咲良と契約を結ぶ」
ギャレットが呪文を口にすると私とギャレットの足元に魔法陣のようなものと紫色の光が現れた。
3度目なのでもうお馴染みだ。
契約と呪文とこれは私の中ではセットのものだった。
この後の流れも大体わかる。把握済みだ。
「代償はミアちゃんのサイン付きチェキ。それから俺の同志であること」
ギャレットはそう言うと私の右手を自身の方へ、ぐいっと引っ張り人差し指に牙を立てた。
「…っ」
わかっていた展開だがわかっていても普通に恥ずかしいし、痛い。



