ギャレットと契約を結べば人間界へ帰れるのだとギャレットに伝えてもよかった。
別にそこは魔王に口止めされていないし。
だが、それを一から十まで説明するのは面倒だとも思った。
あまり寝ていない24歳の私の体と脳はもう休みを求めているのよ。
「…私の願いを叶えるため」
だから私はギャレットへの答えを濁すことにした。
「…そう。エドガー、バッカス、それから俺と契約して叶えたい願いって世界でも滅ぼすつもり?」
「…」
逆だ。
ギャレットを含めた5兄弟が魔界を滅ぼす予言があるらしいからそれを阻止するために契約をさせられているのだ。
相変わらず私をバカにしたように笑うギャレットに私は心の中で真実を言っておいた。
「…そんな訳ないじゃん」
もちろん表では何となく濁しただけだったが。



