あー。もう。


「何度謝られても許さないものは許さないから」


私はついに耐えきれなくなりヘンリーを睨みながらそう言った。


「じゃあ俺たちはどうすれば?」

「…もう謝って来ないで。謝りたいならずっと心の中で謝って」

「…わかった。それで咲良の気が晴れるなら」


未だに怒っている私に真剣な表情でまたヘンリーは頭を下げる。
そして下から私を見上げた。

少しだけ。ほんの少しだけ真剣に謝っているのだと感じられた瞬間だった。