幸せの探し方

時計は7時を過ぎたところだった。

メイクを直して、他にどこか崩れているところがないかの確認をした。

「よし」

確認を終えると、化粧ポーチをカバンの中に入れた。

「蜜柑ちゃん、今日は気合いが入ってるなぁ」

宇大くんが声をかけてきた。

この場にいるのは、わたしと宇大くんの2人だけだ。

「これから高天原さんと会う予定だからね」

わたしは返事をすると、椅子から腰をあげた。

「ああ、それで気合いが入ってるんや」

納得したと言うように、宇大くんは答えた。

「宇大くんももう帰るんでしょう?」

わたしがそう聞いたら、
「恵麻ちゃんが家で待ってるさかいね、俺も早う帰らな」
と、宇大くんはそう言ってカバンを手に持った。

「じゃあ、またね」

「さいなら」

宇大くんと一緒に会社の戸締まりを終えると、その場で彼と別れた。