「アイスは?」
「やめました。勝手についてきたのに、買ってもらうのもあれだなって思ったんで」
「あら、気にしなくていいのに」
「それに大元の金は、総長っすよね?俺、怖くて買ってもらえる気になれねえっす」
「あら?これは、あたしのお金よ。仁からは一銭ももらってないわよ」
「え、和佳菜さんってどこから、金…いや、やっぱ何でもないっす!」
「ん?なによ」
「いや、ほんっとーに何でもないっす!!あ、ほら!ご夫妻って誰のことっすか?」
無理やり方向性を変えたかったようなので、あたしは気にしないことにした。
「アメリカにいた頃にお世話になっていたご夫妻がいるの。その方達に手紙を出したいと思ってね」
「あー、そーなんすね。綾さんじゃないんすか?」
「…綾?」
「はい、新しい家が最近見つかったらしいっすけど」
キョトン、とした顔がこちらを覗く。
いや、今その顔をしたいのはあたしの方だわ。
「…貴方、綾と連絡取ってるの?」



