ただ、大切な人のそばにいられればそれでよかったのに。


『ゔぅ…うわぁぁぁん…あぁぁぁ…』


彼らのこと、家族ことを思うと、溢れる涙は止まらなくて顔を両手で押さえながら私は泣いた。

家族を失った時でさえ我慢した涙が、今回の件で一気に溢れ出たのだと思う。

泣いてもどうにもならないことは嫌でもわかっているのに、何も戻ってはこないことは誰よりも知っているはずなのに涙は止まらなかった。


しばらくして足音が聞こえた。

知っている気配。

それは…私の最愛の人。
いつも助けてくれるのは貴方だった。


ねぇ…月夜。