嫌ではなかった、全然。


 むしろ……。



 やさしい。

 一輝くんのキス。


 それは。
 一輝くんそのもの。



 そんな一輝くんのキスに。
 とろけるような気持ちになっていた。


 私の心は。
 持っていかれる、完全に。
 一輝くんに。





 ……っ‼



 今。

 思わず。

 出そうになった、声が。


 だけど。
 そうしてしまう。
 そのことが恥ずかしくて。
 それを必死に抑えた。



 だって。

 一輝くん。


 唇にキスをして。

 そのあと私の首筋にキスをしたから。


「結菜ちゃん、
 我慢して声を出さないところとか、
 すごく可愛い」


「……っ‼」


 バレてしまっていた、一輝くんに。


「そんなに可愛いと、
 ますますもえちゃう」


 一輝くんはそう言って。
 今度は耳元に顔を近づけ。
 耳にもキスをした。


 なんて、こそばゆいの。

 あまりにも、こそばゆい。
 だから笑ってしまった、思わず。


「結菜ちゃん、なんで笑ってるの?
 なんか、おもしろい」


 そう言いながらも。
 一輝くんのキスの嵐は止まる気配がない。


 激しくて。

 だけど。
 やさしさ。
 それを感じるキス。



 そして。