彩月は幼稚園の頃からの幼なじみ。

 私の親と彩月の親はとても仲が良い。
 そういうこともあって。
 私と彩月も自然と仲が良くなった。

 幼稚園を卒園してから。
 小学生、中学生になっても。
 もちろん、ずっと仲が良い。

 そして高校も同じに。

 私と彩月は、同じ高校に行くことができることをすごく喜んだ。



 ただ。
 一つだけ問題が。

 それは通学時間。

 私の実家と彩月の実家。
 そこから高校までの距離は結構遠い。
 通学時間はかかる。

 そこで私と彩月は話し合った。
 そして話し合ったことをそれぞれの親に話した。

 その結果。
 高校の近くのマンションを借りる。
 私と彩月は、高校の三年間そこで一緒に暮らす。
 それが絶対条件で話がまとまった。



 そうして私と彩月は。
 高校一年生のときから二年間一緒に暮らしている。

 そして今年の四月から高校三年生。

 彩月からの、このとんでもない発言が出たのは。
 もうすぐ高校三年生になろうとしている春休み中のこと。

 まだ一年間残っているのに。
 私一人で暮らすなんてことになったら。
 お母さんとお父さんに「実家に帰って来なさい」と言われる。

 それに、そのこともあるけれど。
 彩月が部屋を出ていくなんて。
 やっぱり寂しい。

 高校入学してから二年間。
 彩月と一緒に暮らしていて。
 その生活が当たり前のようになっていたから。