空先輩とお兄ちゃんからの連絡。お兄ちゃんからはLINで"後悔するなよ"ただそれだけだった。私が家に帰ってきた事を気づいてたみたい。
やっぱりお兄ちゃんはなんでも理解してくれて最高のお兄ちゃんだ。
画面をスクロールして目に入るあの人の名前。
「空先輩…」
ポツリと無意識にそう呟いていた。
どうして電話をかけてきてくれているのかがわからない、少し気になるんだけど…かけ直そうか、それともLINをしようか、いやでも…。
迷ってるうちに部屋のドアが開く音がした。
『お待たせ、』
お風呂から上がってきた煇先輩は髪が濡れて頬が少し赤くて色っぽい。そんな姿にまた私の胸がときめく。
選んだのは煇先輩なんだから…。好きになるって約束したもん、今もこうやってドキドキするし隣に煇先輩が座ればフワッとボディソープの匂いがして恥ずかしくなる。
私、ちゃんと煇先輩と向き合うって昨日先輩の腕の中でそう誓ったんだ。空先輩なんて、忘れてやる。
『髪乾かそっか』
煇先輩が首にかけてたバスタオルで髪をわしゃわしゃと拭いてくれた。先輩はベットに座って私が先輩の足の間に座ることになった。暖かい風が私の髪に当たって先輩の長い指が濡れた髪をといてくれる。
『いい匂いする』
『同じ匂いだ』
後頭部に煇先輩の鼻先が当たった気がしてくすぐったかった。長い割に量が少ない私の髪はすぐに乾いてしまう。煇先輩が乾かしてくれる髪はいつもよりちょっとサラサラだった。
『おしまーい次俺ね』
ストンとベッドから降りて私の横に座る煇先輩。今度は私がベッドの上に座ってドライヤーのスイッチを入れた。
ドライヤーの音だけが部屋に響いて、さっきと同じ状況なのになんだか緊張する。なるべく煇先輩の髪を抜かないように優しく撫でるようにして乾かしてあげた。
