『好き』
『付き合って、俺を利用して俺を好きになって』
私の頬を両手で包み込む煇先輩の熱が脳にまで届いて蒸発しそう。
『ね?』
煇先輩はトロンとした目しながら汗でひっついている前髪を優しく撫でた。
「は、い…」
煇先輩が視界にいっぱい広がって、胸がどくどくして苦しい。勝手にでたこの返事は、本当にしても良かったのだろうか。
煇先輩の優しさに漬け込むのはもうこれでおしまいにしたい。煇先輩を利用するからには絶対に好きにならないといけない、というか好きになると思う。
だって今は
『嬉しい』
こんなにも頭の中が煇先輩でいっぱいだから。
煇先輩に抱きしめられて、心臓の音が耳に届く。
『俺こんなにもドキドキしてんの、いつも。』「……先輩、」
『俺絶対に幸せにする、忘れさせるから』
『大好き花ちゃん』
こんなにも綺麗な笑顔を見たことがなくて、私は絶対にこの笑顔を曇らせたくないと思った。
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『送ってく、帰ろっか』
パッと体から腕を離されると少し寂しいと思ってしまった。もう帰るんだ…家に帰っても1人だしもしかしたらお兄ちゃんが彼女を連れ込んでるかもしれない。
そう思うと家に帰りたくなくなってしまった。何故ならいつも声が聞こえてくるから…まぁ微かになんだけど。
家に行く足取りが重い。煇先輩はずっとニコニコしてるけどさっきよりかは歩くスピードがおそくなった気がする。家に近づけば近づくほどため息が出た。
『…んー、やっぱやめた!』
ピタッと煇先輩が止まって腕がクンッと引っ張られる。
『今日は泊まりに来て』
