雨上がりには



『一口ちょうだい』


いいよと私がいう前に煇先輩は私のチョコアイスを食べた。


「せ、せんぱい?」

『めちゃくちゃ甘いね…』

「いやあのえっと…」


『間接キスだね』


なんで余裕な感じでそんなことを言うんだ


『まぁでもキスしちゃってたか笑』


その言葉に顔がボッと熱くなる。



思い出してしまったあの日のこと。実はファーストキスだったんだけど、何故か言いにくくて煇先輩には何も言ってない。




『かわいい』

テヒョン先輩は私の頬に手を添えて


『ここにチョコレートついてるよ』私の唇の端についていたであろうチョコレートを親指で拭ってそのまま口に運んだ。


『あま』


長めの前髪から覗く煇先輩の目はあの時キスした目と同じだった。



ただでさえ外は暑いと言うのに、煇先輩に見つめられてどんどん体の温度が上昇する。


『花ちゃん溶けてるよ』

「え、」

『アイス』

「わ、ほんとだ」


今にもたれそうになってるチョコレートを慌ててなめとる。コンクリートの上にはもう何滴かチョコレートがついていた。



もういっぱい溶け始めてるチョコレートアイスを急いで口に入れた。冷たいので歯が痛いし、さっきのことを思い出して口の周りにチョコレートがつかないよう一生懸命食べて自分の手でチョコレートを拭った。


その手を煇先輩は優しく掴んで


『そこじゃないよ』


そのままチョコレートを取るかのようにキスをした。

チョコレートを取ろうと煇先輩の舌が上下に動いてくすぐったい。煇先輩片手にあったボリボリ君はもうすでになくなっていて逃げようとしても後頭部を抑えられていて逃げられない。


口の端の方だったのがだんだん真ん中へと移動してきて柔らかい何かが私の口の中に入ってくる。


息が苦しくて煇先輩を押し退けようとしても先輩の力には敵わなくてびくともしない。舌を吸うように絡められれば何度も角度を変えて私の舌を追う。


リップ音と共に唇が離れると熱い目線が私を離さない。チョコレートを食べたはずなのにどこかソーダの味がした。



『ね、全然違うかったでしょ』



チョコレートを拭った手にもう一度チュッと音を立ててそこにまだついていたであろう甘いチョコレートをなめ、そのまま抱き寄せられた。