「私の旦那大工でさ。毎日酒飲んでくるから無理なんだよ。」



「いいから電話してみて下さい。」



「あんた名前なんて言うの?」



「華、沢田華です。」



「へんな奴だね華は。まぁ来るはずないけど電話してみるか。」



隣の妊婦さんは携帯で連絡している。



もう私はお腹と腰が痛くてどうかなりそうだった。



前嶋先生がまだまだ大丈夫って言ったけど、もう駄目かも。



携帯を持った隣の妊婦さんが叫んだ。



「華大丈夫か?旦那先生呼んで来い。華陣痛の感覚が狭まってる。」



一輝が慌て部屋を飛びだした。



隣の妊婦さんが、「華ありがとうな父ちゃん来てくれるってさ。」



私は良かったですね。と言いたくても痛みで声も出ない。



前嶋先生と看護師さんと一輝と何故か勇人さんも来た。



前嶋先生が、「お産が始まる分娩室へ運んで!」



一輝が私を抱いて運んでくれた。



「華頑張れ!」



隣にいた妊婦さんが叫んだ。



勇人さんも分娩室に入ろうとして、



みんなに睨まれた。



俺華ちゃんの親父だよ(笑)。