あの日、小猫と出会ったから

「僕、また会いに来るからね。来るなって言っても来るからね」
「……、……」
「アイも、毎日窓の外見てジェイミーの事待ってるよ。僕も待ってる。必ず、必ず迎えに来るからね。ジェイミーは、僕の大切な友達だもの」
 俺は声を出さず、ただ涙をこぼしていた。ずっと無言のまま、シェリフの手を握って泣いていた。
 刑務所に居るとはどういう事か、さすがのシェリフも分かっているはずだ。俺の罪状だって聞いているだろう。
 なのに、それなのに、小猫は言ってくれた。
『ジェイミーは、僕の友達!』
 変わらない、シェリフの手の温かさ。懐かしい、そして少し大人になったシェリフの声。
 小猫の温もりが、分厚い氷をみるみる溶かしていく。出会った頃より一回り大きくなったその手は、暗い冬に凍り付いてしまった心を溶かしていくほど、温かかった。