四週間が過ぎても、俺はずっと隔離小屋に監禁されていた。忘れられているのかと思ったが、『命令に逆らった』と言いがかりをつけられ、懲罰期間が延長され続けていたらしい。あの看守に目をつけられたが最後、刑期が終わるまでここから出してもらえなさそうだった。いや、死ぬのが先かもしれない。息をすると胸が痛み、時々鉄臭い咳が出るようになった。
『おかしな目ぇしやがって』
『人間じゃねぇんだよ、こいつ』
『気味の悪い目で見るな、化け物』
自分がここに居る理由が分からなくなった。俺は、犯した罪を償うために刑務所に入ったんじゃないのか。
俺の罪は一体何なんだ。他者から金を盗んだ事なのか、それとも目の色が普通ではない事なのか。
毛布に包まり、身を縮めて蹲る。寒い。体中が痛い。息をするのが辛い。
『まだ生きてたのか、化け物』
一体俺は、何の為に、ここに……?
動く事もままならない、不衛生な暗がりに閉じ込められて半年を越えた頃、俺はすっかりおかしくなっていた。突然笑いだしたり叫び出したりしているうちは、まだ感情が残っていたのだと思う。そのうち、世界と自分の間に分厚い氷の壁があるかのように、何も感じなくなった。腹が減らなくなり、痛みも感じなくなった。暑さも寒さも感じなくなった。なのに、俺はいつも同じ言葉を呟いていた。
「寒い……」
身も心も凍りついた、暗い冬。外の季節は夏になっても、俺の時間は冬のまま止まっていた。
「おい、生きてるのか」
ほとんど動かないので、見回りの度に棒で突かれて生死を確認された。瞬きをして反応すると、例の看守は舌打ちして吐き捨てた。
「さっさとくたばれ、化け物」



