兄猫、ことナイジェル・アガスターシェ・レシュナ王太子殿下は、刑務所の視察の為にアストランティアまで来たのだそうだ。
「レシュノルティアの現行の刑事制度には、懲役刑が無い。矯正・更生を主な目的とした刑事制度が如何なるものか実際に視察・調査し、メリットとデメリットをまとめて議会で報告することになっている」
「はあ……」
ぽかんと口が開く。視察とか議会とか、大人の世界の言葉が当たり前のように出てくるナイジェルに、思わず尋ねた。
「なあ、お前本当は幾つなんだ?」
「十四。それがどうした」
「あ、いや、すごいなと思って」
この落ち着き、この貫禄、さすが王太子だ。とても同い歳とは思えない。まあ、本当に俺が十四だったらだけど。
ナイジェルは淡白な声音で答えた。
「何もすごく無い。王太子として当然の責務だ」
「その歳でそう言えるのが、既にすごいと思う」
「やっぱり変な奴だな、お前」
ここは前向きに、褒め言葉と受け取っておく。
「なるほどな。だから、こんな見所のない下町に来たのか」
観光には、俺が元居た街アルタロゼアの方が向いている。華やかで、景観も良くて。ただ、ここスキラにはペンステモン刑務所とバリエガータ少年院がある。そこを視察して来たらしい。
「一日くらいは観光出来たのか?」
「公務で来ているんだ、遊ぶ必要は無いだろう。それに、誰かさんが予定を大幅に狂わせてくれたからな」
「う」
それを言われると、俺にも半分責任がある。初めは下心、後に情が移って、ずるずるとシェリフを引き留めていたのだから。
俺はテーブルに手をつき、深々と頭を下げて丁重に謝った。
「すまん」
「何故お前が謝る」
不機嫌そうな声が返って来た。
「いや、シェリフをすぐ交番に連れてけば良かったと思って」
「過ぎた事だ」
冷静にさらりと流された。余計に申し訳なくなる。
「本当にすまん」
「しつこい」
そうだ、王太子は短気だった。同じ事を二度言わせるなっていうタイプ。ザ・俺様。
と、ナイジェルはポンと手を打って言った。
「レシュノルティアの現行の刑事制度には、懲役刑が無い。矯正・更生を主な目的とした刑事制度が如何なるものか実際に視察・調査し、メリットとデメリットをまとめて議会で報告することになっている」
「はあ……」
ぽかんと口が開く。視察とか議会とか、大人の世界の言葉が当たり前のように出てくるナイジェルに、思わず尋ねた。
「なあ、お前本当は幾つなんだ?」
「十四。それがどうした」
「あ、いや、すごいなと思って」
この落ち着き、この貫禄、さすが王太子だ。とても同い歳とは思えない。まあ、本当に俺が十四だったらだけど。
ナイジェルは淡白な声音で答えた。
「何もすごく無い。王太子として当然の責務だ」
「その歳でそう言えるのが、既にすごいと思う」
「やっぱり変な奴だな、お前」
ここは前向きに、褒め言葉と受け取っておく。
「なるほどな。だから、こんな見所のない下町に来たのか」
観光には、俺が元居た街アルタロゼアの方が向いている。華やかで、景観も良くて。ただ、ここスキラにはペンステモン刑務所とバリエガータ少年院がある。そこを視察して来たらしい。
「一日くらいは観光出来たのか?」
「公務で来ているんだ、遊ぶ必要は無いだろう。それに、誰かさんが予定を大幅に狂わせてくれたからな」
「う」
それを言われると、俺にも半分責任がある。初めは下心、後に情が移って、ずるずるとシェリフを引き留めていたのだから。
俺はテーブルに手をつき、深々と頭を下げて丁重に謝った。
「すまん」
「何故お前が謝る」
不機嫌そうな声が返って来た。
「いや、シェリフをすぐ交番に連れてけば良かったと思って」
「過ぎた事だ」
冷静にさらりと流された。余計に申し訳なくなる。
「本当にすまん」
「しつこい」
そうだ、王太子は短気だった。同じ事を二度言わせるなっていうタイプ。ザ・俺様。
と、ナイジェルはポンと手を打って言った。



