「嘘をつくな。正直に言え」
「はあ?」
何が言いたいんだ、兄貴。
「シェリフは人見知りする。こう言ってはなんだが、あいつは臆病なんだ。だから、友達も少ない。簡単に見知らぬ人間に付いて行くような人懐こさはない」
「どこが?」
嘘つくなとこっちが言いたい。
「冗談だろ。あいつ、俺みたいなのにさえ、のこのこ付いて来たぞ。人攫いに遭いそうだって心配になったくらい」
「だから聞いている。あいつをどうやって手懐けた。お前、あいつに何を言った」
すっごい詰問調。敵意を感じるくらい切り口上。
手懐けたって言い方がちょっとむかつくけど、抗ってもしょうがない。素直にお答えしよう。
「迷子なの? お家どこ? 俺の相棒、その猫に似てるかも。世の中良い奴ばかりじゃない。雨水は飲むな。だから言ったろ、腹壊すって。身から出た錆だ、反省しろ。黙ってちゃ何も伝わらない。俺とお前は住んでる世界が違う。お前はお前、他人は他人。先ずは飯を食え。ここまで来て逃げんな」
不機嫌そうな顔が余計不機嫌になった。
「……何だ、その支離滅裂な話は」
「そっちが聞いたんだろ、あいつに何を言ったかって」
こちらもムッとする。疑うくらいなら、最初から聞くな。
「俺があいつに言ったのは、それくらいだ。大した事は言ってない。逆に、どうしてシェリフが俺に懐いてくれたのか、こっちが聞きたい」
目を逸らさずに言い返したせいか、嘘を言っていないと分かってくれたらしい。ナイジェルは黙って考え込んだ。その隙に、さり気なく兄猫を観察する。
あんまりシェリフと似ていない。目の色は二人とも青だが、色が違う。自分は父さん似だとシェリフは言っていた。という事は、ナイジェルは母さん似なのかな。母さんは相当綺麗なんだろうな、と思うくらい整った顔をしている。
「あいつ、何か言っていたか」
「えーと……」
シェリフが言っていた言葉を思い出す。
みんな、僕なんか要らない。
兄様も、僕の事ずるいって。
僕、邪魔なのかな。
帰るのが、怖い。
僕は、出来損ないなの。
みんな、僕に話を聞こうとしない――
そこまで振り返って、ふと気になった。
「はあ?」
何が言いたいんだ、兄貴。
「シェリフは人見知りする。こう言ってはなんだが、あいつは臆病なんだ。だから、友達も少ない。簡単に見知らぬ人間に付いて行くような人懐こさはない」
「どこが?」
嘘つくなとこっちが言いたい。
「冗談だろ。あいつ、俺みたいなのにさえ、のこのこ付いて来たぞ。人攫いに遭いそうだって心配になったくらい」
「だから聞いている。あいつをどうやって手懐けた。お前、あいつに何を言った」
すっごい詰問調。敵意を感じるくらい切り口上。
手懐けたって言い方がちょっとむかつくけど、抗ってもしょうがない。素直にお答えしよう。
「迷子なの? お家どこ? 俺の相棒、その猫に似てるかも。世の中良い奴ばかりじゃない。雨水は飲むな。だから言ったろ、腹壊すって。身から出た錆だ、反省しろ。黙ってちゃ何も伝わらない。俺とお前は住んでる世界が違う。お前はお前、他人は他人。先ずは飯を食え。ここまで来て逃げんな」
不機嫌そうな顔が余計不機嫌になった。
「……何だ、その支離滅裂な話は」
「そっちが聞いたんだろ、あいつに何を言ったかって」
こちらもムッとする。疑うくらいなら、最初から聞くな。
「俺があいつに言ったのは、それくらいだ。大した事は言ってない。逆に、どうしてシェリフが俺に懐いてくれたのか、こっちが聞きたい」
目を逸らさずに言い返したせいか、嘘を言っていないと分かってくれたらしい。ナイジェルは黙って考え込んだ。その隙に、さり気なく兄猫を観察する。
あんまりシェリフと似ていない。目の色は二人とも青だが、色が違う。自分は父さん似だとシェリフは言っていた。という事は、ナイジェルは母さん似なのかな。母さんは相当綺麗なんだろうな、と思うくらい整った顔をしている。
「あいつ、何か言っていたか」
「えーと……」
シェリフが言っていた言葉を思い出す。
みんな、僕なんか要らない。
兄様も、僕の事ずるいって。
僕、邪魔なのかな。
帰るのが、怖い。
僕は、出来損ないなの。
みんな、僕に話を聞こうとしない――
そこまで振り返って、ふと気になった。



