あの日、小猫と出会ったから

「ジェイミー、お腹すいたー。パン食べたい」
 翌朝、けろっと良くなったリフは起きぬけに飯を要求してきた。
「だーめーだ。念の為、昼まではこれだけで我慢しろ」
 不満げに口を尖らせる小猫に、俺はさっき朝市で買ってきたコーンスープと水を手渡した。
「ジェイミー、ずるいー」
 コンソメスープに浸したパンのミミを食ってる俺を見て、リフは恨めしそうな顔をする。外で獲物を食ってきたんだろう、アイは汚れた口元を洗うのに余念が無い。
「アイだって何か食べてるっぽいのにぃ」
「身から出た錆だ。反省しろ」
「実から出たカビ?」
「身から出た錆! 自業自得! 人の言うこと聞かずに雨水飲んだからだろ」
 そう言ってやると、リフはしゅんと俯いた。
「……ごめんなさい」
「分かればよろしい」
「じゃあ、分かったからパンのミミ食べて良い?」
「分かってないだろ、お前」
 袋に伸びてきた小さな手をパチンと叩き、俺は袋の口を縛った。
「ジェイミーのけちー」
 ぷううと膨れるリフ。頬っぺたをつついてやる。笑う小猫。つられて俺も笑う。楽しい朝食の時間が過ぎていく。