やっぱり、そうなんだ……
今日はきっと私がお弁当を作ったから、来てないんだよね。
ファンの子の残念そうな顔を見て申し訳なく思いながら、座らせてもらった。
「うわっ!由妃のお弁当、美味しそう!」
「ほんとね。どれも美味しそう」
お弁当を広げると、注文し終わった莉里ちゃんと幸ちゃんが戻ってきて、そんな風に言ってもらえた。
ふふっ、味は分からないだろうけど……そんな風に言ってもらえるのは嬉しいな。
「嬉しいよ。これ、一応自分で作ったから」
「嘘っ、由妃が作ってるの!?すごい!」
「レベル高いわね」
2人共驚いたような顔をしてるけど。
「そうかな?」
「そうだよ!私なんて全然作れないし!」
「えぇ、私もそう思うわ。この寮にはキッチンがあるけど、ほとんどの人が使ってないんじゃないかしら。ちゃんと料理をする由妃はすごいわよ」
2人は買いかぶりすぎじゃないかなって思うけどね……
でも、確かにちゃんとキッチンがあるのに、聖君達は料理してないみたいだし。
これからはちゃんと私が作らないと……!
「ねぇねぇ、由妃!どれかおかずちょうだい!私のシーフードピラフ、分けるから」
「うん、いいよ」
「あ、なら私にもくれない?」
「もちろん」



