「そんなことないよ」
「どうかしらね。スガもそう思うでしょ?」
「まぁ。でも、それは明日になったら分かることだよ。楽しみだな」
「楽しみではないけどー。でも、高等部の全員参加だから、先輩のも見れるっていうのは面白いよねー」
莉里ちゃんの言葉に驚いた。
高等部全員参加なんだ……
じゃあ、聖君のも見れたりするのかな……?
そんな私の思考を読んだように幸ちゃんが言う。
「生徒会メンバーのも見れるわよ。普段一緒になることないし、めったにない機会だから、女子皆大喜びで見てるわね。キャーキャー騒ぎながら」
なんだか、その様子が簡単に想像できちゃう。
でも、どうして幸ちゃんがそんなこと知ってるんだろう……?
「ついでに、中等部の人も見ることができるのよ」
またも思考を読んだようなその言葉に納得。
それじゃあ、余計に騒がれそうだよね。
「そういえば、生徒会メンバーはだいたい本気出してるけど、生徒会長様が本気出してるとこ見たことないよねー」
「あぁ、確かに。でも、あの人基本無気力だし」
「俺はあの人が本気出してるとこ1回は見たみたいけどね」
あはは。
でも、私も聖君が本気出してるところは見たことない。
本気を出した聖君、かっこいいんだろうなぁ……
そんな聖君を少し想像しながら、そう思った。



