スガ君は爽やかに笑っていて、その笑顔にクラスの女の子達は見惚れているのが分かった。
こうしてみると、王子様みたい。
でも……聖君の姿を頭に思い浮かべた。
整ってる顔立ちに、色素の薄い瞳、私に向けてくれる優しい笑顔。
聖君もスガ君に負けてない。
いつも私を助けてくれた王子様だよ。
そこまで考えて、そう思った自分にびっくりした。
何で、スガ君と比べているんだろう……?
それに、どうしてムキになってるの……?
自分の感情に戸惑ったけど、よく分からない。
「白嶺さん、どうしたの?」
そんな私の様子がおかしかったのか、スガ君が覗き込んできた。
「ううん、何でもないよ」
さっき思っていたことを言うわけにもいかず、少しだけ笑った。
「そっか」
それ以上追求しないみたいだから、ホッとした。
上手くかわせたみたい。
「にしても、スガ。何で遅くなったのよ?」
「あぁ。さっきも言ったけど、寝坊しちゃってさ」
苦笑いを浮かべながら、困ったように頭をかくスガ君。
確かに、さっき友達にもそう説明してたよね。
「珍しいよねー。スガ君が寝坊したなんて初めてじゃない?」
「そうなんだよ。だから、焦ってさ」
「そっか」



